W3

カワサキ 650RS とも言います
たいていの人は、このオートバイを「W3」と呼んでます
「ダブサン」とか「ダブ・スリー」とか呼び方も人それぞれですが
自分の場合「ダブルスリー」と呼んでます

W3のプロフィール

・推定走行距離:約9万キロ(自己走行分は約6万キロ)
・一見後期型だがホントは前期型
・腰上O/H2回オーバーサイズ(1.0)のピストン入ってるもんで、排気量641cc)

W3の特別装備
・W1SのメッキRショック(掃除がラク:この写真はW3純正ショック装着時のものです)
・ティクラー付きキャブ(始動性いい感じ)
・Z1000MKU、Z1−Rと同じキャリパー&メタルパッドに換装(ノーマルより雨天でもそこそこ効きます)
 ※2004年8月現在 ノーマルに戻しました(鉄粉がひどいので・・・)
・シビエのライトアップキット&H4ハロゲンランプ(夜間もラクラク、でも長時間連続点灯では充電に不安)


W3と出会った夏

夏になる少し前、同級生の悪友から手紙が来た。
悪友はその年の春に広島から潮岬へ転勤になっていたらしい
「夏になったら遊びに来いや、何も無い田舎じゃがええ所じゃ」

そして手紙の最後には、こう書いてあった。
「春にバイクを買い換えた、古いけどええ音がする。
ちょうど今、同じオートバイを使うた映画やりよるけえ暇があったら見てみい。
「彼のオートバイなんとか」いう角川映画じゃ」

8月になった
ただ行くだけではつまらないので、自転車で行くことにした
当時の自分は千葉県の柏に近いところに居た。
そこから和歌山県の潮岬まで走った。約3日かかった。
計画したとき「絶対ムリじゃ」と悪友が言ったので
意地でも自転車で行くことにしたのだった。

潮岬まであと30キロというところ、暗闇の中、国道42号線の
遠く向こうから聞こえてきた音は独特の音だった、遠くなのによく響く
映画で見たオートバイと同じ排気音だった
夜中のローカル国道は不気味なほど真っ暗で他に音もなく
だんだん近づいてくるその排気音がすごく頼もしく聞こえた
やっぱりそうだった、悪友とそのオートバイだった
「なぁ〜んか、やかましい音のする単車じゃのう」
「なに言いよんなぁ、この音がえかろうがい」
悪友のW3に先導してもらい、1時間ほど走ると串本の町に着いた
結局、短い夏休みのほとんどを、この本州最南端の地で過ごした
とりわけ楽しかったのが、悪友のオートバイで走り回ったことだった




「この単車は古いけえ、メットかぶらんでええんじゃあ」
海から上がった潮だらけのまま、後ろに乗った
「サビるでぇ〜?」「ええわい、はぁサビとるけえ」
真夏の海と空の間で、風が気持ちえかった
後ろに飛んでいくような乾いた排気音、というか爆音
シートの下から突き上げてくる鼓動、というか振動
オートバイというよりも、まるで生き物(鉄の馬)にまたがっているようだった 


昭和61年夏 紀伊半島・潮岬周辺にて


当時ただの中古車だった10年落ちのW3・・・
若者の道具(玩具)としてよく走ってくれた



そして夏がおわり、秋に・・・・


昭和61年秋、場所は九十九里浜

今度は悪友が自分のとこにやってきた、W3と一緒に・・・
砂浜で走り回った、エンジンかけるんはエラかったが慣れた
砂の上じゃスタンドが立たたず往生した
焼きハマグリがぶちうまかった
帰り道、気が付いたら湾岸高速に入っていた、二人乗りで・・・
料金所のオッサンに怒れた
「わしら田舎モンじゃけえ、こらえてやぁ」

悪友は研修とかなんとかで、しばらく東京近辺に滞在した
でもその間に上野でW3を売ってしまった
次の週に広島から上京してくる彼女と遊ぶカネが要るからだった
「W3もはぁええわい。最近なんか調子もようなかったしのぉ」

もっかい乗りたいのう・・・W3
ほんなら限定解除して、わしが自分のW3を買おうか!
ほじゃが赤じゃのうて青いヤツがええの
映画で見たヤツと同じ色の・・・
(当時の自分は原付免許さえ持っていませんでした)


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